デザインの考え方の話かもしれませんし、ヒトとしての個人的なクセかも知れませんが、誤解を恐れず私見をひとつ。
デザインは、手数が少ないほうが良いと思っています。
昨今、「タイパ」や「コスパ」、「スペパ」、「ベスパ」など「〇〇パ」で溢れていますが、大切にしたいのは、それとは少し違う「手数の少なさ」です。
レイアウトを熟考したり、数mm、数px、数%の違いを比較検討するような過程に対して手を抜くということではなく、結果として形作られたものが、そこにあるべきオブジェクトだけで構成されたデザインが圧倒的に強い。と。
デザインを「絶対に必要なものだけの集合体」にする。そんな考え方です。
素材が良ければ、塩だけでいただけます。
料理に例えると分かりやすいかもしれません。 いいお肉は、切って、焼いて、ほんの少しの塩・コショウを添えるだけで、お肉本来の味わいが引き立って充分に美味しいものです。たぶん。
一方で、そうじゃないお肉は、下味をしっかりつけたり、長時間煮込んだり、焼肉のタレをドバッとかけたりと、「美味しくするための追加要素」が多くなります。 もちろん、それはそれで美味しいけれど、何の味を楽しんでいるの?と言われると、食材ではなく料理。
わたしの頭の中では、料理の材料とデザインの構成要素がこんな感じで対比しています。
基本の材料
- お米 = 骨組み(レイアウトグリッド)
- お魚 = 画像(写真・イラストなど)
- お肉 = 動画
- 野菜 = テキスト
- 付け合せ = アイキャッチ(ピクトグラムなど)
味変要素
- 出汁 = ベーストーン
- 塩 = 余白
- 醤油 = 罫線
- ソース = 塗り・色
あくまでイメージですし、しょっぱい系しかないですし、おすし。
まずは「お肉」を見極める。
デザインも、お肉を選ぶ「目」や「舌」と同じだと思うんです。 まずは目の前の課題や素材の本質をじっくりと見る。この素材は、最低限の施しだけで世に出せるポテンシャルがあるのか。それとも、じっくり煮るなり焼くなり、コロ助なり。なのか。
そこを見極める「目利き」が、デザイナーの根幹にあるのかなと。 いい素材を手に入れたとしても、切り方を間違えたり、火を入れすぎたり、提供するタイミングを逃したりすれば、すべてがおじゃんに。
「ソースとマヨ」は最後の砦。
「ソースとマヨネーズをかければ、だいたい何でも美味しくなる」 これはある意味で真理ですが、デザインでも料理でも、それは「最後の砦」にしておくんです。派手な装飾や過剰な演出で、素材の味を塗りつぶしてしまうのは簡単です(手間はかかると思いますが)。 でも、まずは必要最低限の構成要素で勝負。素材の良さをいかに殺さず、その魅力を最大化できるか。そこにこだわるのが、プロの矜持なんじゃないかな、と思っています。
削ぎ落とした先にある、味。
手数を増やすのは、不安の裏返しだったりもします。
「何か足りないかも…」という不安を装飾というソースで誤魔化してない?
自分のデザインにそう問いかけ続けなければいけません。
余計なものを削ぎ落とし、本質だけを皿に乗せる。 そんな「素材を信じるデザイン」を、これからも面白がっていきたいなと。 シンプルだけど難しいこんなことを、一緒に愉しむことができる仲間と出会えたら最高ですね。
わたしは、CBOをしています。
J.B.Goode株式会社は、デザインや技術を表層だけではなく、その奥にある「構造」まで考え、形にするチームです。
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