JBGでは「.PRODUCTS」という活動をしています。
メンバーの創造を、そのままアプリの形にしていく取り組みです。その現場で、少し前の自分には想像できなかった景色を見ました。
.PRODUCTSとは
JBGが新しい体制を迎えてから始まった取り組みで、メンバーが考えたことをそのままアプリとして形にしていく活動です。
あれば便利、ないなら自分たちで作ろう。
そんな、何気ない想いを開発にぶつけています。
エンジニアが手がけたものもあれば、デザイナーや営業が形にしたものもあります。
作ったものの開発ストーリーは、弊社のサイトに一つずつ書いています。
気になったら覗いてみてください。
非エンジニアが手を動かしているところ
.PRODUCTSが始まってから、エンジニア以外のデザイナーや営業のメンバーがアプリ開発に進んで取り組んでいました。
驚いたのは、次のようなところまで自分でやっていることです。
- アイデアを出し、「ここはこうした方がいい」と仕様を詰める
- デプロイのワークフローを組む
- 自分が開発しやすい環境を整える
少し前なら、後ろの2つはエンジニアに頼むところでした。
案件管理ツールの「J.B.SCORE」も、自社AIツールの「J.B.STREAM」も、非エンジニアのメンバーが作ったものです。
エージェントを並列で動かす姿
AIエージェントが進化している今、非エンジニアの前にあった開発という障壁はとても低くなっています。
弊社ではClaude Codeを活用しているのですが、エージェントを複数台起動させ、並列で開発を進めているメンバーの姿にはかなり感動しました。
もう、わからない・できないが言い訳として通用しない。そう実感しました。
調べまくって手を動かす。開発者に必要なツールをAIを駆使して引っ張ってくる。未然に防げるものはスキルやフックを利用してガードレールを固める。
これを非エンジニアがしてたんですよ。
半端ないって。
本当に順調に開発を進められていたのか
ソースコードを管理するとなると、やはりgitを使うしかありません。
シークレット情報をハードコードしていないか、ブランチ戦略をどうするか。そのあたりを考え始めたときに、エンジニアへ聞きに来てくれる場面がありました。
聞かれたのは、それくらいです。コンフリクトもAIで解決していましたし、開発は基本的に円滑に進んでいたと感じています。
ただ、開発の面白さを知ってしまったのか、延々と手を動かしているメンバーも一部いました。
スマホからClaudeに指示出してる人とかもいましたね。
休んでくれー、全然休まへんやんと思いながら見ていました。
いま社内にある景色
少し前なら、こんな景色は想像できませんでした。
アイデアを持っている人が、そのまま作っている。
それが今、社内で起きていることです。
いい時代になりました。
彼らはただ開発しているだけではないです。パフォーマンスやUI/UXにもこだわって作業をしていました。
社内でAIのキャッチアップや会話が増えたことも組織全体として.PRODUCTSの取り組みは良かったなと思います。
今後の開発に求められるものが徐々に見えてくる
現在の開発プロセスはやはり人間が開発することを前提に組み立てられたものだと感じています。
AI駆動が当たり前の今、そのプロセスをAIを軸にして考えていく必要があります。
今回の取り組みで見えたのは、コードを書くことの難しさが下がると、足りなくなるものが別のところに出てくるということです。
非エンジニアのメンバーは、仕様を詰め、デプロイを組み、開発環境まで自分で整えました。エンジニアに聞きに来てくれたのは、シークレットの扱いやブランチ戦略のような、作った後に困ることを先に潰す話でした。
レビューの前提が変わる
スマホからでもClaudeに指示が出せて、延々と手を動かすメンバーがいて、エージェントは複数台が並列で走る。この速さに、人が1行ずつコードを読むレビューは追いつきません。
これからは、読む量を増やすより、何をもって正しいとするかを先に決めておく方に重みが移ると考えています。仕様、テスト、受け入れの条件です。
AIに書かせて、人は意図と結果を確かめる。人が書いて人が読む前提だったレビューの形は、組み替える時期に来ています。
気をつけるべきことを仕組みにする
シークレットのハードコードも、本番への誤ったデプロイも、声かけで防ぐには限界があります。止まらずに作り続ける人を、人が見張り続けるのは現実的ではありませんよね。
スキルやフックで、最初から踏めないようにする。非エンジニアのメンバーが自分の環境でやっていたことを、会社の基盤として整えていく。そういうタスクが増えると思います。
エンジニアに求められること
「じゃあエンジニアは不要になるのか」と聞かれたら、そうは思いません。
ただ、求められるものは変わります。
コードを書くこと自体の希少性は、これから下がっていきます。代わりに需要が高まるのは、セキュリティを扱えるエンジニアだと考えています。
作る人が増えて、作る速さが上がれば、世の中に出るアプリも増えます。守る対象が増えるということです。今回、非エンジニアのメンバーが最初にエンジニアへ聞きに来てくれたのも、シークレットの扱いでした。
昨今、多くの会社がサイバー攻撃を受けています。基本的な対策が足りていなかったために起きたものもあれば、ゼロデイ攻撃のように、修正される前の脆弱性を突かれて、備えていても防ぎきれないものもあります。
どちらであっても、設計の段階から守りを組み込み、被害を小さく抑えられるのは、セキュリティのレイヤーを扱えるエンジニアです。
もうひとつ、将来や最終的なゴールを見据えて設計できる人も欠かせません。AIに任せて作れるようになるほど、作るのは速くなります。行き先がずれたまま積み上がるのも、同じ速さです。
どこへ向かうアプリなのかを見て、土台から設計できる人は今後も需要は高まっていくでしょう。
リリースまでのインフラを整える仕事も、これまでどおり必要です。AIで開発の速度や生産性を上げていくなら、その土台がないと始まりません。
作る人が増えるほど、支える人の仕事は増えます。エンジニアの出番は、書くことから、任せた先で何が起きるかを見通すことへ移っていくのだと思います。